エッジからＲ形状への変更による金型コスト削減
金型は、プラスチック射出成形において欠かせない道具の一つです。射出成形で繰り返し使用する製品型として高い耐久性を備えた造りになっています。しかし、上左図のように製品部がエッジ形状の場合は、金型の根本のエッジ部分に負荷がかかりクラック（割れ）が入りやすくなります。クラックの発生など金型の劣化が早まることにより、修理や取替えなどコストが多くかかることになります。
機構上問題が無ければ、部品にＲをつけた設計とすることで、プラスチック射出成形の金型もＲ形状にすることができます。金型はＲをつけることで根元部分の強度が増し、クラック（割れ）などが入り難くなります。したがって、金型の寿命が延び、修理や取替え費用などのコスト発生を抑えることができます。金型の耐久性を考慮すれば、必要以上に部品をエッジ形状にすることは避けるべきです。
プラスチック射出成形部品の金型は、エッジ形状の箇所には負荷が大きくかかり、クラックなどの不具合が発生しやすくなります。当事例のように、射出成形部品のＲ形状にできれば、金型の耐久性を高めて修理や取替コストを抑えることができます。プラスチック部品の設計者は、コスト削減のために、金型の耐久性も考慮して形状設計を行うことが重要です。