円形状部品の真円度を確保するゲート位置設定
プラスチック射出成形では、樹脂が金型に注がれる際の応力が残り、冷却時の収縮により変形する特性があります。上図のような円形の部品を射出成形する場合には、ゲートをサイド1点に設定すると、円周の各部での収縮率の違いが大きく、部品の真円度が出せなくなります。円形の部品では、真円度が求められますので、外観不具合を抑えるためにゲート位置の変更が必要なります。
プラスチックの円形部品を射出成形する場合には、収縮後の真円度を加味してゲートの位置を工夫する必要があります。真円度を確保するために、例えば、ピンゲートを使用して上図のように均等に6分割して樹脂を充填するようにゲートを設定することで改善できます。このように、円形の樹脂部品では、真円度を出すためゲートの位置および分割充填を考慮することで歩留まりを改善できます。
プラスチックの円形部品は、ゲートの設定の仕方によっては、円周の各位置の収縮率の違いにより真円度の確保が難しくなることがあります。プラスチック射出成形において、円形の部品を製造する場合には、当事例のように、ゲートを分割して同時に且つ均等に樹脂が充填される工夫をすることが重要です。プラスチック製品の設計者は、上記のような円形部品の射出成形のポイントを押さえておくことで、歩留まり改善によるVAを図ることができます。