インサート成形への変更によるはめ合い部品組付け工数削減
上図のようにネジ等の嵌合物を後から嵌める部品をつくることは、プラスチック射出成形においてよくあるケースです。この場合、射出成形とは別に組付けの工数がかかります。さらに、このように嵌合物を埋める穴形状がある場合には、金型のキャビティ(凹側)に抵抗がかかり、離型不良などの原因にもなり、不具合の発生によるコストアップの要因の一つともなり得ます。
プラスチック射出成形において、金属の嵌合部品を後から嵌める部品を設計する場合には、プラスチックの成形と金属部品の嵌め込みを同時に行なうインサート成形を検討することができます。インサート成形に変更することにより、組付けの工程を削減することができる上、穴形状により金型のキャビティ(凹側)に取られがちな離型の問題も解消されて設計上のコストダウンとなります。
金属部品の嵌合いがあるプラスチック射出成形部品の製品開発においては、インサート成形による加工の可否を検討することがVA・VEの考え方として重要となります。当然ながらインサート成形を行なうことで、組付けの工数が削減できる上に、射出成形の離型の問題も簡単に解消することができます。プラスチック製品の設計者は、インサート成形の可能性を考慮したプラスチック部品の設計を行なうことでコストダウンを図ることができます。